雪は紗智と出会い、短い交流の後、シキを探すために別れた。

 その後、雪は1号と再会し、紗智に会いに行く。

「母さん……」

「あなたが1号なのね……ごめんなさい、
 あなたのことを守ってあげられなくて」

「……雪から話を聞いた、謝らないでくれ……
 オレの方こそごめん……こんなところで会うことに
 なってしまって……」

「本当、親不孝者ね。もっと長生きしてから来れば良かったのに」

「そのとおりだ……本当にごめん……」

「紗智、1号は……」

「いい、雪。ちゃんとオレから話す」



 1号の話を聞きながら紗智は呟く。

「輪廻さんによく似ているわ……」



 紗智は1号に諭す。

「私達は確かに酷い目に遭った。
 でも、あなたを生かしたのもあの人……それは覚えておいて……。
 私は今、憎しみと感謝と両方の気持ちを抱いているわ。
 こんな思いをさせてくれるなんて、……本当に酷い人ね」

「あいつはとても恐ろしくて……でも、ばかみたいだった」

「どんなところが?」

「誰も寄せ付けない冷たさと威圧感を持っていて、残忍だ。
 なのに王妃のこととなるとまるで人が違ってただのばかになる、
 子供みたいだったり、下心むき出しだったりして」

「たくさん后を集めたわりに、たった一人に夢中なのね……
 あなたはそういう気持ち、わかる?」

「いや……わからない」

「私は……知ってるよ」

 紗智は愛おしげに1号の頬をそっと両手で包む。
 1号は微かに頬を赤らめる。

「おい……そいつはあんたの旦那じゃなくて息子だぞ!」

 雪は思わず突っ込む。

「ふふっ、大丈夫。ちゃんとわかってるから」










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