「今回は新しい武器は無かったか……」

 装備屋にて、一通り商品の棚を確認した1号が呟いた。

「おまえは素手でいいだろ」

「雪の言うことはひどいな」

「いや、そうでもないぜ」

「どういうことだ?」

「1号、おまえの蹴りは重い、拳も」

「体重の話か」

「体重であり、比重でありだな。
 まず重さの分がそのままエネルギーになるから
 与えるダメージがでかいだろ、あと見かけ以上の衝撃が来るから
 常人相手のつもりでいると敵は痛い目を見る」

「うん……相手によってはその可能性もあるかも知れない」

「な、十分な武器ってわけだ。
 その重い体と手足を自在に振り回せるだけの身体能力もあって……
 おまえは俺より力がある」

「褒めてくれているのか?」

「流石だな、人外」

 雪は少し意地が悪そうに笑う。

「ま、力が全てってわけじゃないからな」

「技術か……確かにな、雪は瞬発力やバランス感覚がかなり良い。
 オレももっと鍛えたい」

「励めばいいさ、俺は良い武器が見付かれば手に入れて使う」

「武器も要るんじゃないか…」

「気にするな」

「……そういえば重さの話で思い出したけれど、
 ベガの尻尾で頭を殴られた時はやばかったんじゃないのか?」

「あーあれな、あん時は死ぬかと思った本気で」

「オレもひやっとした」

 防具の棚を見ていたベガが振り返って会話に加わった。

「ちゃんと手加減はしたぞ。
 私の感覚では尾の先でそっと撫でる程度にしたつもりだ」

「おまえがドラゴンの時はデカ過ぎるんだよ!!
 俺はしっかり気絶させられたぞ!
 まったく尻尾だけでどんだけ重さがあるんだよ、
 それにスナップをきかせて……ああ思い返したくもねえや」

「ハハ、もうしないからそう怒るな」

「本当だろうな…」

「ああ、悪いことをしなければな」

「う…わかった……」

「雪、ベガはもうドラゴンじゃないからそんなに怖がらなくても大丈夫だ」

「誰が怖がってるって!?」

「オレは怖かった、あまりにも大きかったから」

「1号……」

 ベガの少し困ったような表情を見て1号は付け加える。

「外見だけの話だ」

「おまえフォローが下手だよな…」

 真っ直ぐに見上げてくる1号と、彼に呆れながらも憎めないという表情を浮かべる雪と、二人を見下ろしてベガは目を細めた。

「ところで防具は見たか? 新商品が入荷されているようだが」

 ベガの指差した先を視線で辿り、雪は顔を顰めた。

「無理だ、高ぇっての! チッ……また貯金か」

「帰ったらピアーに相談してみるか」

 ベガの言葉に雪と1号は頷き、三人は装備屋を後にした。












(反転ネタ)

気絶回数に定評のある雪さん
特に1号とベガにボコられた時はかなりの衝撃だったと思われます
あんまり強烈にやられて頭がおかしくなったんじゃないかと思います
それで1号達と行動を共にすることを受け入れたんじゃないかなーなんて・・・

はい、申し訳ゴザイマセン
こんなんですが私は雪を愛しています!!!!!!!


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