「雪はマングースが苦手なんだな」

「は?」

「調査書に書いてある」

「なんだそりゃ」

「怖いのか?」

「んなわけあるか! ったく人の質問には答えねぇし」

「じゃぁなんで嫌いなんだ」

「奴らは敵だ!」

「雪の?」

「蛇の! 天敵なんだ」

「そんなに嫌いなのか」

「ああ、嫌いだね」

「普段は遭遇することはないだろう」

「俺が遭遇しなくたって、どっかで奴らは蛇を襲ってる。
 それに映像なんかで嫌でも偶然見たりするだろう?
 存在が許されねぇ。
 蛇を襲うなんて信じらんねぇ、あいつらは駆除されろ、絶滅しろ」

「雪の言うことは極端だな。生態系に影響を及ぼすぞ」

「ハッ…おまえに俺の気持ちは分からないだろうな」

「分からないな。ただ、言うだけならいいんじゃないか?」

「1号……そのなんか分かってるんだっていう顔が
 気に入らねえんだよ! どうせ本気じゃねぇって思ってるんだろ」

「雪が蛇をとても好きだということは分かった」

「うん………良いよな、蛇…………」

「目の形が弓みたいになってるぞ」

「カピ、バラ…………」

「おい、戻って来い」

「………………」

「だめか。完全に妄想の世界に行ってるな。
 雪に蛇を与えるのは、ルインにマタタビみたいなものかも知れない」










REM - !




余談(反転)

マングースは色々な生き物を捕食するので、蛇はその一部であって、また蛇勝ちもありますが
流れで天敵ということにしてみました
アールエス世界は現在の現実世界と色々違うかも知れないですし、その辺りはゆるやかに