「母さん……久しぶりだね……ごめん、俺の力不足だった」

「その左目、あなたを守って欲しくて託したんだけど……
 ごめんなさいね」

「ううん……」



   ◇



「誰が兄に懸想しろと言いました?」

「え、だって兄さんは俺の兄さんなんだよ、
 好きになるのは当たり前じゃないか」

「言い訳は聞きません、あなたはやり過ぎです」

「ごめん……」

「それだけじゃありません、
 誰が怪生物と馴れ合っていちゃいちゃしろと言いました?」

「なっ、何言ってんだよ母さん、いちゃいちゃなんかしてねえよ!
 だいたいあれはあいつが俺のことが必要だとかなんとか言って
 勝手について来たんだし……」

「雪……」

「はい、ごめんなさい……」

「本当は、別に構わないのよ、どちらも」

「どうして?」

「あなたが幸せで楽しくやっていたなら、それで良いのよ」



   ◇



「全部見ていたわ」

「母さんには常界のことがわかるの?
 俺はここに来て以来、あっちの様子を窺い知ることなんて
 出来ないよ」

「それはね、科学の力で」

「やっぱり母さんは凄いな……。
 そうだ母さん、兄さんに……会わなかったか?
 どうしても見付からない、会えないんだ……」

「シキは……ここにはいないわ」

「どういうこと?」

「あの子、脳を全部電脳結線化して、人間やめちゃったでしょう?
 普通に死なないのよ」

「え、一体どうなって……」

「あっちに、常界にいるわ」

「兄さんは……生きてるのか?」

「生きていると言えるのかしら、でも、ここにいないで向こうにいる。
 会いたければ……」

「そうか……そうか……良かった……兄さん……」










REM - ! - pre




余談(反転)

兄さんは十二天に回収されて、意識かなにかしらが復活・維持されているんじゃないかなあと思うことがあるのです
科学研究所の技術は凄いんですよ、乱造さんもいますしね
・・・という夢です