Rさんの今日のお題は
ハル(ミサ)
エンジェル(C・STEF)
『宇宙の果て』
です。
https://shindanmaker.com/592166





 時間を持て余していた私は、太古――西暦二千年頃の地球で構築されていたネットワークのログから、興味を引かれる情報を発見した。
 とうに常界を去って久しいこの私が、とある島で暮らすことになるかもしれない、という話だった。
 その島には時間と空間を超越して数多の者達が集い、中には、私と母が成長を見守った王子、仕えた殿下、関係や因縁のあるスペシャリストたち、そして二人の息子も暮らしているという。更に夫もこの島へ呼び寄せられる可能性があったようだ。
 以降、私がそこを訪うというログは見付かっていない。夫についても同様だった。可能性は可能性のままで終わっているようだが、時が流れればこの限りではないだろう。
 その島のシステム自体が多重的な可能性を抱えており、平行宇宙の一つではないかと推測する。

 ……全くの理屈を抜きに、再び愛する息子たちと暮らす日々というものを思い描き夢を見た。科学に魂を捧げて、研究に明け暮れて、あまり母親らしいことはできなかった。もしも今度があるならば、違った形で向き合えるだろうか。
 そんな夢想をしつつ、同時に思う。興味深い島に足を踏み入れたら、きっと私は知的好奇心を満たすべく、島について研究を始めるだろう。それが私の、生まれてから死ぬまで変わることのない性だったのだから。





REM - !