「雪はオレの叔父か?」

「はっ?!」

「怪生物を作った科学者は親みたいなものだって話を聞いた」

「作ったって何だ? おまえ人間の親がいただろう!」

「蘇生か、だからシキが…」

「1号、勘違いしてるようだが、おまえを蘇生させたのは兄さんじゃねえ、
 母さんだ」

「じゃあ雪とは兄弟になるのか」

「おまえが俺の兄貴だって!?
 冗談じゃねえ、俺の兄さんは兄さんだけだ!」

「だめか……そうだったら良かったのにな」

「なんでそんなもんになりたがるのか、おまえの気が知れねえよ。
 それに兄弟だとしたら、片や被験者で片や自由の身だなんて
 不公平過ぎるだろ」

「うー…ん……でも今は自由だから構わないぞ」

「そんなこと言ったらさ、母さんや兄さんに作られた怪生物達
 みーんなおまえの親類兄弟だぜ。
 研究所に山程いるし、野良の奴なんか釣って食ってるだろ、
 いいのかー? 同族食いだぜ」

「魚達のことだよな、あいつらはオレとは違う。
 人と獣と鳥と虫くらい違うから問題無い」

「フーン……まぁ確かに、おまえみたいな人間・怪生物融合体なんて
 他にいないから固有性はあるわな。
 だったら俺とお前だって全然違うし関係ねえだろ」

「そんなにいやなのか」

「嫌とかいいとかって話じゃない、違うって言ってるだけだ」










REM - !




余談(反転)

2014年夏、『無人島日記』執筆中に出来た副産物です
ご愛嬌なのがもう一つあります →
副産物2